リモートでの設計授業は新たな視点
今年も大学の建築学部2年生の設計課題を担当しましたが、コロナ禍の為リモート授業でした。いままでは対面だったのでエスキースの初期から紙で作った模型や、スケッチの交換で意思疎通ができていましたが、模型のやり取りがリモートの画面だと少し解りにくく、代わりにライノを使った学生のCGによるエスキースが功を奏した感じになってしまいました。今回はスケールアップする際に新たに作る作業がありますが、CGはそれが不要になるため、その部分で画面に伝えるためには有利でした。でも、模型で表現して突破できなかった学生には、模型もやっぱり重要で、うそいつわりないというか、弱い部分も自分で作っていく工程で見逃さず現れます。一方、CGも絵と同じで、CG的(絵的)にはその技術やタッチにより、とても良さそうだったり幸せそうな絵が描けてしまいます、それが故に見たくない部分を過小評価しないようにしなければなりません。
模型から建築を考えデザインをする手法はとても大事なプロセスです。一方CGによる設計プロセスも模型ではやりにくかったプロセスを踏むことができます。両者をうまく使い分けて両方できる方が良いですね。
私が担当した班の学生さんはCGが上手くできないことが、考えを表現することの弊害になっていると悩んでいました。建築を始めた大学生にとって考えを形に表現することは難しい事です。でもそんな自分をきちんと俯瞰できているところなどは見込みが十分あると思いました。そういう意味でも学生さんには模型とCG両方ができるようになって欲しいと思います。