大学授業でのプレゼンテーション 後期設計3クラス

今年の大学「設計クラスⅢ」での授業は、去年と設計の課題が変わり難易度が増し、教える我々講師陣も手探りで始まりました。19,20才の大学2年生が設計を初めてするにあたり、「どうやって設計ってしたら解らない?」というような漠然とした「不安な気持ちによる迷い」や、自分自身の設計やコンセプト作りでやりたいことを見いだせない気持ちや焦りなど、学生が四苦八苦しながら勧めているのが伝わってきて、それが大変自分にも理解できます。そういう心境に陥ることは自然で有り、ものづくりにおける不可避な部分だと思うのです。建築設計は、「答えが一つに決まっていないもの」であり、「間違えた答え」というのも明確にありません。その言葉だけ聞くと「できそうだ」と思うのですが、敷地や環境を分析、調査し、類例などのリサーチ、与えられた要求施設のプログラムを建築に組み込み、その上で、自分が考えるコンセプトを掲げ、デザインを纏めることは、かなり難しい作業です。理論の積み上げや、多角的視点、社会や都市の問題点との向き合いなど、建築家として養成される学生がこなすトレーニングは、平面や立体を超えた概念も組み込んだパズルでカタチを作っていくというところでしょうか。それを毎回の授業で1人の先生に学生12名くらいと順々に対話していきます。デザインに対しエネルギー余る学生や、自信なげな学生、バイトで設計授業などと言わんばかりな学生まで、いろんな学生が前を向いて頑張っています。

今年の我々が担当した学生は最後には優秀な域までたどり着きました。ほんと頑張ったと言ってあげたいですし、今回選抜されなかった人でも、まだまだこれからあるので心配しないで欲しいです。今回のこのクラスの学生たちは設計トレーニングを確実に踏んでいると思います。デザインを生むことの難しさ、苦しみ、手が動かない、そういうことを経験することが、デザイナーになることで必要な事でもあるのです。経験すれば必ず出来ていくものです。諦めず、粘って続けて欲しいですね。